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2000年05月16日

Re:一心伝信


先程までの強がっていた気持ちはどこへ行ってしまったのか。





「Re:一心伝信」 (ルキアサイド)





休日。自分の机に向かい、宿題を進める。
以前に比べれば、自力で解ける問題が増えてきたなと思う。
それでも、まだ解くのが難しかったり、解答に自信がなかったり。
そうした問題には印をしておく。
今はいない一護に帰ってから訊く為だ。

数時間前に、特に予定を立てていなかったが「少し出掛けてみないか」と私の方から提案して、「そうだな、その辺ふらふら出掛けてみるか。」と一護も同意した。
そして、出掛ける準備をしようとしたすぐ後に、一護の携帯が鳴る。
相手は、一護の友人である浅野からであった。

直接聞いたわけではないのに、携帯から内容がわかる程の大声で一護へ助けを求める浅野の声が聞こえてくる。
こうした状況で放っておけない性格である一護なのだが、歯切れの悪い応答を返し、少ししてから頭を掻き始めた。

ああ、そうか。
本人は気づいているのかわからないが、困った時に一護は決まって頭を掻く癖がある。
その仕草を見て、きっとその前に私との用事を気にしているのだろうな、と気づく。

無意識であったのか一護がこちらを向いたので、声には出さず、「大丈夫だから、そちらに行ってやれ。」という意味で合図を送り、一護は浅野へ返事を伝えた。

家を出る際に、私を気にしてくれたのか一護が謝ってきたので、気にするなと言って一護を見送る。

本当に、そんな気にする事ではない。
特に予定がないからと急遽予定を立てただけであり、約束を破ったとかではないので一護が一方的に謝るのは間違っている。
友人が危機なのに、私の方を優先しろとか思いもしない事であるし、
そうした時に放っておけない性格である面は一護の良いところの一つである。

なので、本当に、そんな気にする事ではない。

ただ少し・・・ほんの少し残念だったなという気持ちがないと言えば嘘になるが・・・


勉強の最中にまたそんな事を考えてしまい、いけないと気を引き締めて、再び次の問題へと取り掛かる。

しっかりしろ。
つい先程、遊子と夏梨にからかわれたばかりではないか。

昼食後の片付けの時の事だ。
三人で洗い物をしている時に、私の表情を読んでか二人が訊いてきたのは、紛れもないからかいの言葉である。

「ルキ姉、一兄がいなくてつまらないよね?」
「お姉ちゃん、寂しくない?」


同じ事を考えて、同じ間で訊くあたり、さすがは双子と言うべきか。

別に、つまらなくない。
別に、寂しくなんてない。

その気持ちを二人に合わせて返す為に、「別に、そんな事ないぞ。」と言いながら、二人の頭をくしゃくしゃと撫でる。


そうだ。
別に、つまらなくない。
別に、寂しくなんてない。


しかし、あれだ。
見送りの時の一護の顔は少し浮かない様子だったので、私へ悪い事をしてしまったとか、私がそんな思いをしているとか・・・そう思われるのは悪い気が。

・・・ここは、『気にするな』という内容を連絡しておくべきか。

いや、待て。
勉強を教えている最中かもしれぬし、送られたら困る状況であったらまずい。
それに、そんな事を送るのは却って・・・

また考え事をしてしまった。
いけない、早く終わらさなければと、再び気を引き締め直した。



数時間が過ぎて、予定よりも時間がかかったが一通り宿題を終わらせる事ができた。
一護へ質問がある問題を除けばほぼ出来た事は、少しだけ進歩したかなと思う。

時間を見ると、もう夕食前である。
そろそろ仕度をするかなと思ったその時、私の携帯が鳴った。

携帯をとると、メールが受信されている。
送ってきた相手は、もう見る前にわかる相手だ。



『From 黒崎 一護
 題名 
 ―――――――――――――
 水色の家に泊まるかもしれない。
 後で、ちゃんと連絡する。    』



買い物の時や、待ち合わせなどで電話は頻繁に使う。
だが、いつも一緒にいるので、メールというのはそれほどしない。
だからなのか、時々こうしてメールをするにしても、必要最低限の連絡事項を送るといった形式がお互い多い。
仮にも、恋人同士なのだからもっと工夫もあってもいいものだがと、たぶんお互いが思っているのではないかなと今更ながら可笑しくなった。

そうか、小島の家に泊まるかもしれないのか。
まぁ、時間も時間である。
流れとしてもおかしいものではなく、たまには男同士で話明かすというのも良いものだろう。

だからと言って、それに対して何かという気持ちは別にない。
おかしな所は一つもなく、ごく自然な流れであるのだから。

了解としたという内容のメールを返信する。
親父殿へも連絡しなければならない事なので、できるだけ早めにという内容も付け加えた。


そうか、泊まりかもしれないのか・・・

再び考えなくても良い事なのに、不意に思ってしまった。
別に、困る事ではないのに。
ああ、一つあるとすれば宿題を見てもらうのが遅れるので困るかな・・・

少しこじつけた感じであるが、そんな事を理由にしていると再び携帯が鳴る。

どちらか決まったのかと、少しドキドキしてメールを見てみると、その内容は予想していたものとは違っていたので、思わず目を見開いた。



『From 黒崎 一護
 題名 Re:Re:
 ――――――――――――
 寂しいか?           』



・・・全く、この莫迦者は何を・・・

予想の返信は二通りしかなかったのだ。
それ以外の言葉が来たら、それはどれも予想外の言葉である。

しかも、妹達と同じ事を訊く辺り、兄妹と言うべきか。
・・・いや、それ以上の想いを込めての質問であるのかな。


一緒に出掛けられなかった事が、別に残念だなんて思っていない。
今日一日いなかった事が、別につまらないだなんて思ってない。
お前がいなかった事が、別に寂しいだなんて思ってない。


全く、何て質問を。
お前の方から泊まるか、泊まらないかを送ってきたくせに。

きっと一護は私をからかおうとしてのこの内容なのだろう。
私の性格をわかった上で、こうしてこんな事を訊いてきたのだ。

ならば、しっかりと応えてやらねばならない。

負けてたまるかという対抗の気持ちと、
・・・ほんの少しの素直な気持ちを込めて返信を送った。



しかし、その後返ってきても良い時間なのにメールの返信がない。
夕食を食べ終わり、遊子と夏梨と一緒に風呂へというわけであったのだが、謝って二人には先に入ってもらい、今はこうして携帯と睨み合っている状態だ。

・・・少し困らせてしまった内容だったかな。
たまには、友人と遊びたいだろうし・・・と思っていたその時、携帯が鳴る。
一護からの返信である。
私は、急いでメールを見た。



『From 黒崎 一護
 題名 Re:Re:Re:Re:
 ――――――――――――――
 遅れて悪い。
 ただいま。玄関、開けてくれるか? 』



その内容を見るや、部屋を飛び出す。


今回の事は・・・

本当に、そんな気にする事ではない。
特に予定がないからと急遽予定を立てただけであり、約束を破ったとかではないので一護が一方的に謝るのは間違っている。
友人が危機なのに、私の方を優先しろとか思いもしない事であるし、
そうした時に放っておけない性格である面は一護の良いところの一つである。

なので、本当に、そんな気にする事ではない。

それだけはわかってほしい。


だけど、だけど・・・

ああ、残念だったさ。
一緒に出掛けられなくて。

ああ、つまらなかったさ。
お前が一日いなかった事が。

そして・・・寂しさもあったに決まっているだろう。
急に用事ができて、お前がいなかったのだから。


もし他人に見られたとしてどう思われようが、今はどうでも良い。
もう何とでも言ってくれ。


全く、先程までの強がっていた気持ちはどこへ行ってしまったのか。


急いでいたので、階段を大きな音を立てて下りてしまった。

そして、玄関は目の前である。
・・・さて、あの莫迦者にまず何から言えば良いか。

まずは、返信が遅い事を注意して、おかげで遊子と夏梨と一緒に風呂へ入れなかった事について文句を言って・・・



驚き嬉しかったが、それを必死で隠そうとするのはあと数分後の話。








あとがき
久々の更新です(滝汗)
まず始めに、ここまで読んで下さり、有り難うございました。(土下座)

まず作品について。
イチルキ連載のどこかにいつか入れたいなぁと書いたこの作品。
いちゃいちゃしたり、ちゅーとかしたりで甘い作品ではなく、全然触れてないのに、ほんのり甘い香りがするくらいの作品が書きたいなぁと思い、構成を始めました。
頭の中で、一護・ルキアが動き、「微糖!昭和な感じで!」をイメージに(笑)何とか作品へとなりました。(メールの時点で昭和イメージではない(汗))
・・・しかし、初期の構成通りではないかなと(汗)
ラブ度をほんのり香りがあるくらいの微糖にしたかったのですが、何だか甘さが(滝汗)
そして、相も変わらずヘボさは滲み出ておりますよ(大汗)

その原因はお互いの送った最後のメールだと思います。
初期構成では、お互いほんのり想い合う形でというものでしたが、最後のメールでお互い線が切れたかのごとく相手を熱くラブ(笑)
一護もですが、ルキアなんて思いっきりツンデレ乙女ですものね、これ(笑)

この後、玄関で無意識いちゃいちゃ。
そして、一護は夕飯まだなので、ルキアがご飯を出して、二人でお食事になるでしょう。
最初は言い合いっぽい感じから、最後はやはりいい雰囲気になる事でしょう。
そう思い、それまで書くと当初より遥かに糖度が高くなってしまうので、ここまででご勘弁を。(土下座)


題名とアイテムについて。
一護とルキアって本当に「以心伝心」だよなぁ~と常日頃考えていますが(←変人)、それをテーマに何か作品にしたいなと思っていました。
そして、お互い分かり合い過ぎているけど、何か相手の不意を衝くものにと。
そこで、携帯のメールってそういう事が可能では!?と思い、メールをアイテムに。
そして、「以心伝心」を少し捩って、この「一心伝信」といった題名に・・・。
一応、「一つの心の籠った言葉を伝える為の送信」て意味を込めました(汗)
すみません、ヘボヘボで。

長々だらだらとすみません。
こんな作品を読んで頂き、有り難うございます。
また更新頑張りたいと思います。

それでは、また次回に。



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Posted at 05:06:32 | 小説 | コ:0 | ト:-

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プロフィール

恵

Author:恵
9月4日生まれ。
性別・女。(←ギリギリ)
出身地・大阪府。
今は神奈川県に在住。

好きなCP傾向は王道CP。
ルキア大好き、根っからのイチルキを愛するイチルキスト。
そして、我陽推進のGHKメンバー。
今は、ただただルキアの幸せが早く来る事を願い続けている・・・。

昼はOL、夜は隠オタ・イチルキ愛の戦士!(←要するにアホな人です。)

趣味はスポーツ、バイクいじり、妄想など・・・。
特技は暴走妄想(笑)、ピッチャー返し、流し打ち・・・。
阪神の大ファン。
阿部寛さん大好き。

好きな漫画家・・・井上雄彦先生。藤木俊先生。皆川亮二先生。木多康昭先生。田辺イエロウ先生。久米田康治先生。山本英夫先生。日向武史先生。満田拓也先生。さんりようこ先生。浦沢直樹先生。きらたかし先生。漆原有紀先生。葉鳥ビスコ先生。八木教広先生。ひぐちアサ先生。篠原健太先生。など・・・。

好きな漫画・・・BLEACH。こわしや我聞。赤灯えれじい。銀魂。結界師。あひるの空。MAJOR。B型H系。さよなら絶望先生。蟲師。桜蘭高校ホスト部。クレイモア。おおきく振りかぶって。SKET DANCE。
井上雄彦先生作品全般。
皆川亮二先生作品全般。などなど・・・。

尊敬するお笑いの方・・・ダウンタウンのお二人(松本さん・浜田さん)。

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